退職後に払うお金はいくら?住民税・国保・国民年金の目安と減らせる方法を解説

社会保険・年金
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※この記事は、厚生労働省・国税庁・日本年金機構・各自治体の公式サイトが公開している情報をもとに作成しています。
制度や金額は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・担当窓口でご確認ください。

「退職したら楽になれる」と思っていたのに、退職直後から予想外の請求がやってくる——これが「退職後のお金」の現実です。

会社員のとき、住民税・健康保険料・年金は給与から自動で天引きされていました。
そのため「いくら払っているか」すらよく把握していなかった、という方も多いはずです。

ところが退職した瞬間から、これらの支払いは全額、自分で手配して自分で払うことになります。

しかも退職後1年目は、これらの支払いが特に重くなりやすいという落とし穴があります。
知らないまま退職すると、「思ったよりお金が残らない」という事態に直面することになります。

この記事では、退職後に発生するお金の支払いを5種類に整理し、それぞれの金額目安・支払いタイミング・節約方法をまとめています。
退職前に読んでおくと、準備できる金額の見当がつきます。

【この記事でわかること】

・退職後に払うお金5種類と金額の目安

・退職後1年目に支払いが重くなる仕組み

・国保か任意継続か、選ぶ基準

・国民年金保険料の免除・猶予申請のしかた

・確定申告で税金が戻ってくるケース

退職後に払うお金一覧【全5種類まとめ表】

まず全体像を一覧で確認しましょう。

表1 ― 退職後に払うお金 全5種類

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項目 金額の目安 支払いタイミング 節約できる?
①住民税 前年収入300万円の場合:年約15万円前後
※自治体・控除状況によって異なる
退職翌月以降
(自治体から通知書が届く)

低収入時は猶予・分割払い申請可
②国民健康保険料 前年収入・地域によって異なる
(前年収入300万円・単身の場合:年20〜30万円が目安)
※自治体によって大きく異なる
毎月
(自治体から通知書が届く)

失業・低収入の場合に減免制度あり
③国民年金保険料 月額 17,510円 / 年額 210,120円
(2025年度・全国一律)
毎月
収入減少時に免除・猶予申請可
④所得税(確定申告) 年の途中退職なら還付になることが多い 翌年2〜3月
(確定申告期間)

控除を漏れなく申告すると還付
⑤健康保険料(任意継続) 在職中の約2倍が目安
国保と比較して選択
毎月
(健保組合へ支払い)

国保と比較して安い方を選ぶ

⚠️ 上記の金額はあくまで概算です。
住民税・国保は前年の所得・居住地・家族構成によって大きく変わります。
正確な金額は各自治体や年金事務所の窓口でご確認ください。

知らないと損する「退職後1年目の3つの落とし穴」

【まず知ってほしいこと】

退職後にお金が足りなくなる人の多くは、「住民税は退職と同時に終わると思っていた」「国保がこんなに高いと知らなかった」「年金は払わなくていいと思っていた」の3パターンです。

落とし穴①「退職翌年も住民税が来る」

住民税は前年の収入に対して翌年に課税されます。
例えば、2025年に退職した場合、2025年中の収入に対する住民税が2026年6月に届きます。

落とし穴②「国保の1年目が一番高い」

国民健康保険料は「前年の収入」で計算されるため、退職1年目は会社員時代の収入が基準になり、保険料が高くなります。
2年目以降(=収入ゼロが基準になる年)から大きく下がるケースが多いです。

落とし穴③「国民年金は免除申請をしないと払い続けることになる」

収入がなくなっても、申請しないかぎり毎月17,510円の請求が来ます。
失業・低収入の場合は免除申請ができるのに、知らずに払い続けているケースがあります。

退職後の住民税|いつ払う?いくら来る?

住民税は「前年の所得」に対してかかる税金

住民税は、前年(1月〜12月)の所得に対して翌年6月から課税される仕組みです。

たとえば:

  • 2025年5月退職 → 2025年中の収入に対する住民税が2026年6月以降に請求される

退職して収入がゼロになっても、「働いていたときの収入に対する住民税」が翌年に請求されることを覚えておきましょう。

退職した月によって払い方が変わる

【6月〜12月に退職した場合】
自宅に「普通徴収」の納付書が届きます。年4回(6月・8月・10月・翌1月)に分けて支払います。

【1月〜5月に退職した場合】
最後の給与や退職金から残額を一括で天引きするのが原則です(「特別徴収の継続」)。
ただし会社によって対応が異なる場合があるため、退職前に人事・総務担当に確認してください。
手取りが大幅に減る可能性があります。

住民税が払えない場合

収入が大幅に減った場合は、市区町村の窓口に相談することで納税の猶予や分割払いが認められることがあります。
放置すると滞納として扱われ、最終的に財産差し押さえにつながるリスクがあります。
まず窓口に相談することが大切です。

退職後の健康保険|国保か任意継続か、どっちが安い?

退職して会社の健康保険を抜けた後の選択肢は3つです。

  1. 国民健康保険(国保)に加入する
  2. 会社の健康保険を最大2年間継続する任意継続
  3. 配偶者など家族の扶養に入る(収入が一定以下の場合のみ)

国保保険料の計算と「1年目が高い理由」

国民健康保険料は「前年の給与所得」をもとに計算されます。

退職して今の収入がゼロでも、退職1年目は「会社員だったときの収入」が基準になります。
そのため退職後1年目の国保保険料が高くなりやすいのです。

【目安:前年収入300万円・単身・東京都の場合】
年間の国保保険料はおよそ20万円〜30万円になるケースがあります(自治体によって大きく異なります)。

※正確な金額はお住まいの市区町村のシミュレーターまたは窓口でご確認ください。
自治体によって保険料率が異なります。

国保と任意継続の比較

表2 ― 国保 vs 任意継続 比較

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比較項目 国民健康保険 任意継続
保険料の基準 前年の所得 + 均等割 退職時の標準報酬月額(上限あり)
扶養家族 人数分の保険料が加算 保険料は増えない(組合による)
加入期間 次の健保加入まで継続可 最大2年間
支払い滞納 猶予・軽減申請が可能 1度でも滞納すると資格喪失
向いているケース 翌年から低所得が見込める場合
失業による軽減制度が使える場合
扶養家族がいる場合
退職前給与が低かった場合

任意継続が有利になりやすいケース:扶養家族がいる場合、退職前の給与が高くなかった場合。

国保が有利になりやすいケース:翌年から低所得として軽減が見込める場合、失業による軽減制度が適用できる場合。

どちらが安いかは個人の状況によって大きく変わります。
退職前に両方のシミュレーションをするのが確実です。

国保の減免制度

会社都合退職(解雇・倒産・雇い止めなど)の場合は、前年の給与所得を30%として再計算する「非自発的失業者の軽減制度」があります。

自己都合退職でも、前年と比べて所得が3割以上減少した場合は減額申請ができる自治体があります。
詳しくは市区町村の国保担当窓口に相談してください。

退職後の国民年金|月17,510円、免除申請はできる?

会社員として在職中は、厚生年金を通じて国民年金も自動的にカバーされていました。
退職後は「国民年金の第1号被保険者」に切り替えが必要です。

手続き先:お住まいの市区町村役場
手続き期限:退職日の翌日から14日以内

2025年度の国民年金保険料

国民年金保険料は全国一律で、2025年度は月額17,510円です。
年間に換算すると210,120円になります。

収入がない・減った場合は免除申請を

失業中や収入が大幅に減少した場合は、保険料の免除・猶予申請ができます。

表3 ― 国民年金の免除・猶予制度

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制度名 内容 注意点
全額・一部免除 所得に応じて保険料の全額または一部が免除 将来の年金受給額が一部減少する
納付猶予
(50歳未満)
保険料の支払いを猶予してもらう 10年以内に追納すれば将来の受給額は減らない

申請先:市区町村役場または年金事務所
必要書類(失業の場合):離職票または雇用保険受給資格者証

放置して未納になると、将来の年金受給額が減少したり、障害年金が受け取れなくなるリスクがあります。
収入が減った場合は必ず申請しましょう。

退職後の確定申告|やると税金が戻ってくることがある

会社員は年末調整で所得税の精算が完了しますが、年の途中で退職した場合は年末調整が受けられないため、自分で確定申告をする必要があります。

確定申告が必要・有利になるケース

表4 ― 確定申告が有利になるケース

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ケース 結果・ポイント
年の途中で退職した(年末調整なし) 払いすぎた所得税が還付される可能性が高い
国民健康保険料・国民年金保険料を支払った 社会保険料控除として申告できる
医療費が年間10万円を超えた 医療費控除で税金が還付される
失業給付(雇用保険の基本手当)を受給した 失業給付は非課税(所得に含まない)

確定申告の時期

毎年2月16日〜3月15日が申告期間です(翌年の分を申告)。

たとえば2025年中に退職した場合は、2026年2月16日〜3月15日に確定申告をします。

【注意】

「面倒だから申告しない」は損です。
年の途中退職の場合、確定申告をしないと払いすぎた税金が戻ってきません。
国保・国民年金の支払いも控除申告できるため、しっかり申告することをおすすめします。

節約できるもの・できないもの

表5 ― 節約できるもの・できないものの整理

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費用 節約・軽減 方法
住民税 △ 条件次第 低収入の場合は猶予・分割払い申請
国保保険料 ○ 申請あり 失業・低収入の場合は自治体窓口へ
国民年金保険料 ○ 申請あり 市区町村役場または年金事務所へ
任意継続保険料 △ 選択次第 国保と比較して安い方を選ぶ
所得税(確定申告) ○ 還付の可能性 確定申告で控除を漏れなく申告

よくある質問(FAQ)

Q
退職後、国民健康保険に入らず放置するとどうなりますか?
A

国民皆保険制度により、日本に住む人は何らかの公的医療保険への加入が義務です。
加入手続きが遅れると未加入期間が生じ、さかのぼって保険料を請求されることがあります。
また、その間に医療を受けると全額自己負担になるリスクがあります。
退職後はできるだけ早く手続きしましょう。

Q
退職後の住民税、「翌年も来る」とはどういうことですか?
A

住民税は「前年の所得」に対して課税されます。
2025年に退職した場合、2025年中に働いた分の収入に対する住民税が2026年6月に届きます。
これは二重払いではなく、タイムラグのある課税の仕組みです。
翌年まで住民税の支払いがある前提で資金計画を立てておきましょう。

Q
国保と任意継続、退職後でも切り替えられますか?
A

任意継続は原則として任意でやめることができませんでしたが、2022年1月の法改正で「任意継続被保険者が任意でやめることが可能」になりました。
ただし、国保への切り替えのタイミングや手続きについては、健保組合・協会けんぽ・自治体の窓口にご確認ください。

Q
国民年金の免除申請をすると、将来の年金はどうなりますか?
A

全額免除を受けた期間は、国庫負担分(2分の1)は年金に反映されます。
ただし、全額納付した場合と比べると受給額は少なくなります。
10年以内であれば追納することで満額に近い受給額を確保できます。

Q
退職後の確定申告、どこでできますか?
A

お住まいの地域を管轄する税務署または国税庁の「確定申告書等作成コーナー(e-Tax)」でオンライン申告ができます。源泉徴収票・マイナンバーカード・支払い済みの保険料の控除証明書などを準備しておきましょう。

まとめ:退職前にやっておくべき3つのこと

退職後に払うお金をまとめると、5種類(住民税・国保・国民年金・所得税・任意継続保険料)が主な項目です。

今から準備できること3つ

  1. 退職後6ヵ月分の生活費+保険料を貯金しておく
    国保・住民税・国民年金を合わせると、前年収入300万円の単身者の場合で月4〜5万円前後の支払いが発生することがあります(地域・条件によって異なります)。
  2. 退職前に国保と任意継続の保険料を両方シミュレーションしておく
    退職後14日以内に選択が必要です。事前に確認しておきましょう。
  3. 年の途中退職なら翌年の確定申告を忘れない
    払いすぎた所得税が戻ってくることがあります。源泉徴収票は必ず保管してください。

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【参考資料】
・厚生労働省「国民健康保険制度」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/koukikourei/index_00002.html
・日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html
・国税庁「No.2030 還付申告」
 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm
・渋谷区「令和8年度国民健康保険料について」
 https://dcp.city.shibuya.tokyo.jp/ctz/s/faq/faq-000001591

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