失業保険とは?条件・金額・期間・申請方法をわかりやすく解説

給付金・制度
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※本記事は筆者が実際に退職・休職を経験したうえでリサーチした情報をもとに作成しています。
制度の内容は公的機関(ハローワーク・厚生労働省)の情報をもとにしていますが、最新の情報は必ず各機関の公式サイトでご確認ください。

 

この記事でわかること

  • 失業保険(雇用保険)がもらえる3つの条件
  • 自分がいくらもらえるかの計算方法(具体例2パターンあり)
  • 給付日数の早見表(自己都合・会社都合別)
  • 失業保険の申請方法と必要書類
  • 2025年4月の法改正ポイント

「退職したら、失業保険をもらえる」

そう思っていたのに、申請に行ったら条件を満たしていなかった——という話は、決して珍しくありません。

実は失業保険は、手続きさえすれば自動的に受け取れる制度ではないんです。
しかも、申請を先延ばしにするほど、受け取れる日数が減ってしまうルールがあります。

私自身も休職から退職した後、「傷病手当金が終わったら次は失業保険を申請できるのかな」と調べ始めて、初めて制度の複雑さに気づきました。

この記事では、失業保険の仕組みを基礎からわかりやすく解説します。
計算方法や申請の流れ、2025年4月の法改正ポイントまでまとめていますので、退職後の手続きの参考にしてみてください。

失業保険(雇用保険)とは?

失業保険とは、仕事を辞めた後に次の仕事が見つかるまでの間、生活を支えるために給付される手当のことです。

正式名称は雇用保険の「基本手当」といいます。
「失業保険」「失業手当」という呼び方は俗称で、どちらも同じ制度を指しています。

国が運営する公的保険制度で、在職中は給与から毎月保険料が天引きされています。
給与明細に「雇用保険料」という項目があるのがそれです。

雇用保険は「失業したときの給付」だけでなく、育児休業給付・介護休業給付・教育訓練給付金なども含む幅広い制度です。
この記事では、退職後に受け取る「基本手当(失業手当)」に絞って解説します。

失業保険をもらえる3つの条件

失業手当を受け取るためには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

① 失業状態であること

「失業状態」とは、次の2点を両方満たしている状態のことです。

  • 就職しようとする意思と、いつでも働ける能力がある
  • 積極的に求職活動をしているにもかかわらず、仕事に就けていない

つまり、就職する気がない状態や、体調不良などで働ける状態ではない場合は対象外になります。
病気や怪我で療養中の方は原則として対象外ですが、後述の「受給期間の延長」という制度があります。

② ハローワークで求職申込みをしていること

失業手当を受け取るには、ハローワークに行って求職の申込みをする必要があります。
求人サイトを見ているだけでは手続きになりませんので注意してください。

③ 雇用保険の加入期間が一定以上あること

退職理由によって必要な加入期間が異なります。

下記の図は、スマホ等の場合、横にスクロールしていただけます。

退職理由 必要な加入期間
自己都合退職離職前2年間に通算12ヶ月以上
会社都合退職(解雇・倒産など)離職前1年間に通算6ヶ月以上
  • 自己都合退職は2年間で12ヶ月以上の加入が必要
  • 会社都合(解雇・倒産等)は1年間で6ヶ月以上でOK
  • パート・アルバイトでも週20時間以上・31日以上の雇用見込みがあれば加入対象

失業保険はいくらもらえる?金額の計算方法

受け取れる金額は、退職前の給与をもとに計算されます。計算は3ステップです。

ステップ①:賃金日額を計算する

賃金日額 = 退職前6ヶ月の給与合計 ÷ 180

この「給与合計」にはボーナスや退職金は含まれません。
毎月支給される基本給・残業代・通勤手当などが対象です。

ステップ②:基本手当日額を計算する

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)

給付率は賃金が低いほど高く(最大80%)、高いほど低く(最低50%)なる仕組みです。
低所得の方ほど手厚くなるよう設計されています。

ステップ③:受け取れる総額を計算する

受給総額 = 基本手当日額 × 給付日数

計算例】2パターンで確認

パターンA:月収20万円・29歳以下・自己都合退職・勤続3年の場合

  • 退職前6ヶ月の給与合計:120万円
  • 賃金日額:120万円 ÷ 180 = 約6,667円
  • 基本手当日額:約6,667円 × 80% = 約5,333円
  • 給付日数:90日
  • 受給総額:約48万円

パターンB:月収25万円・30代・自己都合退職・勤続6年の場合

  • 退職前6ヶ月の給与合計:150万円
  • 賃金日額:150万円 ÷ 180 = 約8,333円
  • 基本手当日額:約8,333円 × 60% = 約5,000円
  • 給付日数:120日
  • 受給総額:約60万円

※いずれも目安です。
給付率・上限額は毎年8月に更新されます。
正確な金額はハローワーク窓口でご確認ください。

失業保険のもらえる期間:給付日数の早見表

給付日数は「退職理由」「年齢」「雇用保険の加入期間」の3つで決まります。

自己都合退職・定年退職の場合(一般離職者)

下記の図は、スマホ等の場合、横にスクロールしていただけます。

加入期間 給付日数
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

※年齢による差はありません。

会社都合退職・解雇の場合(特定受給資格者)

下記の図は、スマホ等の場合、横にスクロールしていただけます。

加入期間 〜29歳 30〜34歳 35〜44歳 45〜59歳 60〜64歳
1年未満90日90日90日90日90日
1〜5年90日90日90日180日150日
5〜10年120日180日180日240日150日
10〜20年180日210日240日270日180日
20年以上240日240日270日330日240日

※厚生労働省「雇用保険の基本手当の所定給付日数」をもとに作成。

「受給期間(1年)」と「給付日数(90〜330日)」は別物です

ここを混同すると損をする可能性があるので、先に整理しておきます。

  • 受給期間(有効期限):離職日の翌日から原則1年間
    この期間を過ぎると、給付日数が残っていても受け取れません。
  • 給付日数(もらえる日数):上の表で決まる日数分(90〜330日)。
    たとえば給付日数が150日あっても、申請を先延ばしして11ヶ月後に手続きを始めると、残り1ヶ月分しか受け取れなくなってしまいます。

離職票が届いたら、早めにハローワークへ行くようにしてください。

2025年4月の法改正ポイント

2025年4月1日以降に退職した方には、雇用保険の制度改正が適用されています。
主な変更点は次の2点です。

自己都合退職の給付制限が「原則1ヶ月」に短縮

これまで自己都合で退職した場合、7日間の待期期間に加えて2ヶ月の給付制限期間がありました。
この期間中は失業手当が一切受け取れないため、退職後に2ヶ月以上収入のない状態が続く方も多い状況でした。

しかし、2025年4月の改正により、給付制限期間が原則1ヶ月に短縮されました。

下記の図は、スマホ等の場合、横にスクロールしていただけます。

改正前 改正後(2025年4月〜)
自己都合の給付制限原則2ヶ月原則1ヶ月
初回受給の目安手続きから約2ヶ月半後手続きから約1ヶ月半後

※過去5年以内に自己都合退職で3回以上受給している場合は、従来通り3ヶ月の給付制限が適用されます。

教育訓練を受けていると給付制限がゼロになる

2025年4月以降に特定の教育訓練を受講している場合、給付制限が完全に解除される制度も新設されました。
職業訓練やスキルアップを考えている方は、ハローワークに相談してみてください。

失業保険の申請方法:5ステップで確認

STEP 1:離職票を受け取る

退職後、会社からハローワークを経由して離職票(-1・-2)が郵送されます。
通常、退職後10〜14日程度で届きます。

届いたら、退職理由や給与額の記載内容を必ず確認してみてください。
内容に誤りがあると、受給額や給付日数に影響することがあります。

離職票がなかなか届かない場合は?
退職後2週間を過ぎても届かない場合は、会社またはハローワークに問い合わせてみてください。
なお、離職票が手元にない状態でも、退職日の翌日から12日目以降は「仮手続き」ができます(退職証明書などが必要です)。

STEP 2:ハローワークで求職申込みをする(失業保険の申請方法・必要書類)

住民票のある住所を管轄するハローワーク(勤務先の最寄りではありません)に行き、求職の申込みをします。

持ち物リスト

  • 雇用保険被保険者離職票(-1・-2)
  • マイナンバーカード(または通知カード+身分証明書)
  • 証明写真 縦3.0cm×横2.4cm 2枚(マイナンバーカードで本人確認する場合は不要)
  • 本人名義の通帳またはキャッシュカード
  • 印鑑(念のため)

手続きの所要時間は1.5〜2時間が目安です。
火〜木曜の14時以降が比較的空いていることが多く、4〜5月は混雑しやすい時期ですので、できれば時期をずらして行くとスムーズかもしれません。

STEP 3:受給者初回説明会に参加する

受給資格が認められると、ハローワークから「受給者初回説明会」の日時が案内されます。
この説明会で「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が配布されます。

STEP 4:求職活動をしながら「失業認定日」に報告する

4週間に1度、ハローワークが指定した「失業認定日」に出向き、求職活動の状況を報告します。
この認定を受けることで、その期間分の手当が振り込まれます。

求職活動の実績になるもの・ならないもの

○ 実績になる:ハローワークでの職業相談・求人への応募・面接・セミナー受講
✕ 実績にならない:求人サイトを見るだけ・知人に紹介を頼むだけ

認定日ごとに原則2回以上の活動実績が必要です。
転職エージェントへの相談も実績になりますので、活用してみてください。

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STEP 5:就職が決まったら手続きをする

再就職が決まったら、就職日の前日までにハローワークに報告します。
所定給付日数が一定以上残っている場合は「再就職手当」を受け取れる可能性があります
(早期に再就職するほど給付率が高くなる仕組みです)。

休職中でも失業保険はもらえる?

失業保険は「退職後に失業状態にある人」が対象です。在職中(休職中)は対象外になります。

ただし、休職中に受け取れる「傷病手当金」と失業保険は、別の制度です。
休職から退職に移行した後、一定の条件を満たせば失業保険を申請できます。

また、退職後も体調が回復しておらず「すぐには働ける状態ではない」という場合は、受給期間の延長申請をすることで、回復後に受給できるよう権利を保留しておくことが可能です(最長4年まで延長できます)。
体調優先で動きたい方は、ハローワークに延長申請のことを相談してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q
休職して退職した場合、失業保険はいつから申請できますか?
A

退職後、離職票が届いた時点で申請できます。
ただし、退職後もすぐに働ける状態でない場合は「受給期間の延長申請」を先に行うことをおすすめします。
延長申請をしておくと、回復後に改めて受給できる権利が保持されます。

Q
短期離職(勤続1年未満)でも失業保険はもらえますか?
A

自己都合退職の場合、離職前2年間に12ヶ月以上の加入期間が必要です。
勤続1年未満だと条件を満たさないケースがありますが、以前の職場での加入期間と合算できる場合があります。
まずハローワークで確認してみてください。

Q
失業保険をもらいながら転職活動できますか?
A

できます。むしろ、失業保険は「転職活動をしている人を支援する制度」ですので、求職活動を続けながら受給するのが基本の使い方です。
ただし、定期的にハローワークで活動実績を報告する必要があります。

Q
受給中にアルバイトをしても大丈夫ですか?
A

条件付きで可能です。
ただし、収入は必ずハローワークに申告する必要があります。
申告せずに働いた場合は不正受給とみなされ、支給の停止や返還(3倍返し)の対象になることがあります。

Q
パート・アルバイトでも失業保険はもらえますか?
A

週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みで雇用保険に加入していた場合は、受給できる可能性があります。
「自分が加入していたかどうかわからない」という方は、雇用保険被保険者証の有無を確認するか、ハローワークに照会してもらうことができます。

まとめ

失業保険について、ポイントをまとめます。

  • 受け取るには「失業状態・求職活動・加入期間」の3条件を同時に満たす必要がある
  • 金額は「退職前6ヶ月の給与 ÷ 180 × 給付率(50〜80%)」で計算する
  • 給付日数は自己都合で90〜150日、会社都合で最大330日
  • 受給期間は離職日の翌日から1年間(申請が遅れると受け取れる日数が減る)
  • 2025年4月から自己都合退職の給付制限が原則1ヶ月に短縮された
  • 体調が回復していない場合は「受給期間の延長申請」を先に行う

離職票が届いたら、まず今日、自分の住所を管轄するハローワークを検索してみてください
手続きを1日でも早く始めることが、受給日数を守ることにつながります。

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参考資料

ハローワークインターネットサービス – 雇用保険手続きのご案内

ハローワークインターネットサービス – 雇用保険の具体的な手続き

ハローワークインターネットサービス – 基本手当の所定給付日数

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